Nuit grave / Editions Fleuve Noir

ニュイ・グラーヴ
 〔1998 - 1999〕

フルーヴ・ノワール社 (パリ)
     ジャンク小説、トラッシュ文学

【概説】
1998から99年にフルーヴ・ノワール社がやっていた特殊な傾向の中篇叢書。コレクション名は直訳だと「深刻な夜」と読めるのですが、同時に煙草の外箱に記載されている「喫煙は健康を大きく損ないます(ニュイ・グラーヴマン)」をかけています。  
80年代にランセルタンという出版社を運営していたジル・ヴィダルが監修を手がけたもので、ヴィルジニ・デパントに近い「ジャンク系文学」型若手作家の処女作を扱っていました。それに併せ表紙も「悪趣味」と呼べるような挑発的なデザインとなっています。生活に密接したありふれた暴力を描き出していた興味深い作品群ですが、仏ミステリ愛好家からは黙殺されたまま1年と持たずに閉鎖。ヴィダルはこの後、バルタヴェル社〜アトリエ・ドゥ・プレス社を創設し同系統の作家の発掘を続けていきます。

【諸データ】
【1983年】
ヌーヴォーロマン寄りの人作家として注目を集めていたジル・ヴィダルがパリの古書店「グーテンベルフのベランダ」を買い取って経営を始める。 
 
【1989年】
同古書店を基盤として出版社ランセルタンを発足させる。94年まで続いていますが、ブローティガンやレイモンド・カーヴァーなど英語圏の純文作家、パスカル・デサンの初期作などを刊行しています。
【1998年11月】
叢書ニュイ・グラーヴ開始。ミステリ専門誌やサイトで扱われることはありませんでしたが、当時唯一「零時零分.com」という文芸サイトが作家インタビューで援護射撃していました。
【1999年3月】
第11巻の『例えばあたし』で叢書活動停止。叢書レ・ノワールで頭角を現していたセルゲイ・ドゥノヴェツやオリヴェ・モーの新作中篇が予告されていたのですが出版取りやめ。実質活動期間4ヶ月、フルーヴ社として最も寿命が短い叢書の一つとなってしまいました。
【2000年1月】
ヴィダルはラ・バルタヴェル社を創設、叢書ラ・バルタヴェル・ノワールを開始します。ニュイ・グラーヴ残党としてアニエス・ダーアンとドゥノヴェツ作品が発表されました 

【作品】
『何でもかんでも』
リュシ・ドゥ・ブゥティニ著
『バビロンでサーフィンを』
エマニュエル・フィーユ著
『マーフィーの法則』
ヴァレリー・シグワール著
01 02 03
01: N'importawaque
/ Lucie de Boutiny
[1998]
02: Surf à Babylone
/ Emmanuel Fille
[1998]
03: La loi de Murphy
/ Valérie Sigward
[1998]

『オートマティック・ニガー』
ショルビー著
『奇妙なザルマ君』
ギョーム・シェレル著
『汚れた穴場』
アンリ=フレデリック・ブラン著
04 05
04: Automatic Nigger
/ Sholby
[1998]
05: Zarma le zarbi
/ Guillaume Chérel
[1998]
06: Cloaque
/ Henri-Frédéric Blanc
[1998]

『最後は言わせてやるから!』
サンドラ・リュッチーニ著
『ボーダーライン』
アニエス・ダーアン著
『カタール6』
ローラン・ボス
07 08 09
07: Zépasfinidezouer
/ Sandra Lucchini
[1999]
08: Borderline
/ Agnès Dahan
[1999]
09: Cathar 6
/ Laurent Boscq
[1999]

『シリアル・スキゾ』
シルヴィー・ボネ著
『例えばあたし』
ファビアンヌ・ベルト著
 
10 11
10: Serial schizo
/ Sylvie Bonnet
[1999]
11: Moi, par exemple
/ Fabienne Berthaud
[1999]
 

 

【最終更新】 2009-06-10
Photo : "Voici le temps des assassins" / Julien Duvivier, 1955
] Noirs [ - フランスのもう一つの文学 by Luj, 2008 - 2010

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