想起
ジル・カイヨ著
〔初版〕 2008年 ポラール出版社(ル・プレシ・ロバンソン)
Réminiscence / Gilles Caillot -Le Plessis Robinson : Editions du polar. -283p. -14×22cm. -2008.
連続殺人鬼(『悪の天使』)から押収したハード・ディスクはパンドラの箱だった。リヨン科学技術警察所属、暗号研究家リュシ−は殺人実況映像を配信しているサイトの存在を知って衝撃を受ける。ウェブカムを通じ洞窟や小部屋で人々が飢え死にし、腐敗していく様子が延々と映し出されていた。誰かが死を弄んでいた。
リュシーからの連絡を受けたゼネッティ警視。一年前の事件で受けた心を傷を癒すために田舎村で休養中だった。「それは君の仕事じゃない。特捜班に任せた方がいいよ」、ザネッティは身勝手な言葉で女を傷つけてしまう。直後にザネッティの元に小包が届く。クラフト封筒に収められていたのは切断された指と手紙。誰かがザネッティの弟を誘拐、謎めいた手紙の文言から察するに「ゲーム」の始まりに過ぎないようだった。
手紙の消印はアルデッシュ県。同地方ではちょうど山間部で発見された惨殺死体が話題となっているところだった。被害者は拷問を受け、両腕と頭部を切断され、口に男性器をくわえた姿で放置されていた。遺体にはルーン文字らしき記号をあしらった金属片が押し込まれていた。
カルト宗教の仕業?リュシーが追い続けていくウェブ上の殺人鬼、アルデッシュの変死体、ザネッティを苦しめる誘拐犯、全てが収斂していくのはザネッティ警視の記憶の内側だった。忘れかけていた幼い日の出来事を「想起」した時、犯人の姿が見えてくる。だが敵はザネッティへの罠を仕掛けていく…
デビュー作から半年の短いインターバルで公刊されたジル・カイヨ第2長編。前作『悪の天使』の続編。最近のにわかミステリー・ブームでこの手の猟奇スリラー作品がまた増え始めているのですが、アルバン・ミシェル他各社で発表されている大物作家(グランジェ、シャタム、ティリエス…)が首都在住ビジネスマン風の佇まいなのに対し、本作は地方を拠点にした職人さん手作りの味を醸し出しています。
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