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血塗れの道 [短編集]
〔1999年〕 |
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ピエール・フォサール著 |
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短編集、ファム・ファタル
巻き込まれ型サスペンス |
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[初版] 1999年
バレンヌ社(パリ)
叢書カナーユ・リヴォルヴァー 146番 |
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La Route sanglante / Pierre Fossard
-Paris : Editions Baleine.
-(Canaille-Revolver; 146).
-275p. -18 x 11cm. 1999. |
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【あらすじ】 |
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フォサール遺作となった短編・中篇集。人物名を冠した80ページほどの中篇サスペンスが3篇(「マチルド」「アレクス」「ファビアン」)、やや質を違えた最後の短編(「病」)で構成されています。紹介は二編分のみ。 |
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『マチルド』:
冷えた車道、ヘッドランプが「アメリカの夜」を演じている。エイズの診断を受けたマルクは自殺目的で車を走らせていた。「今日は仕事で帰れない。先に夕食を」、妻カミーユに嘘の連絡を入れておいた。国道でヒッチハイクをしている女が一人。マチルドという名前だった。「商用で旅行中なんだ」。レストランで話しこんでいく。打ち解けあった二人。銀行に残しておいた一万フランを思い出した。女に金を渡そうとする。銀行の窓口に向かった時、マチルドが予期せぬ行動を取った。ハンドバッグからマルクの銃を取り出して銀行員に突きつけた… |
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『病』:
8月。焼けるような夜の空気。私はリモージュから車を走らせていた。右肺の付け根で「病」が疼いている。道端でヒッチハイクをしていた女。「家まで連れて行ってもらえますか」。ミュリエルという名前だった。家まで送り届け、ウィスキーをご馳走になったまで問題はなかった。ただし睡眠薬が混ぜてある。目を覚ますと女の姿は消えていた。頭痛を堪えて帰宅。すぐに警官がやってくる。逮捕。拘留。昨晩お邪魔した家で死体が見つかったらしい。嫌疑を晴らすのは簡単だったが…私は罪を引き受けていく… |
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【講評】 |
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ヒッチハイクで知合った女に騙され、裏切られ、操られ…同一パターンが繰り返し用いられています。これだけの反復は脅迫観念ですね。作品の配置が絶妙で、94〜97年にかけて筋の絡め方が巧みになり、複雑になっていく様子が一目瞭然で分かります。最後の「病」は遺言代わり。シレイジョルに近い焼けるような話法の持ち主、つくづく早逝が惜しまれます。 |
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【最終更新】 2009-06-16 |
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