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豪雨の中、バイクを止めた二人が小声で話していた。海軍基地の正面、見張りに立っていた青年士官がそれをぼんやりと見ていた。雨の先で何かが光っていた。タバコの火をつけているのだろう、おそらく。それにしては時間がかかりすぎていた。二人組が何をしていか確認しようとした一瞬、閃光がきらめいた。青年士官の体が吹き飛ばされる。第1のテロ。
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ブルトン銀行の支店長宅ではささやかなパーティーが開かれていた。ブリッジにも飽きた人々が眠そうに目をこすっている。ビデオ上映でフイルムの回り続ける音、グラスがカチャカチャと触れ合う音、人々の話し声・・・戸口に一人の男がうずくまっていた。扉に耳を当てている。戸口にダイナマイトを置いて去っていく。第2のテロ。
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8月15日犯行声明が入る。「旅行者を追い払え、フランス人をブルターニュから追い払え」。グループはキリスト教ブルターニュ解放戦線を名乗っていた。中心人物は青年司教、数人の同士と共にブルターニュ地方の自治独立のために立ち上がっていた。キリスト教ブルターニュ解放戦線は浜辺へと向かい、首都からやってきた観光客を人質に取る。政府にブルターニュ独立要求を突きつけるまでは上手くいったが…人質に一人の少女がいた。ロシア人形に似たペピータが計画の歯車を狂わせていく…
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1978年に「J.-M.ケリティ名義」で小出版社(ル・シニョール社)から出版されていた本当の処女作。当初の作品名が『バグパイプ爆撃』、ジャン・グジョン社再刊が『少女と釣り人』、5年後のカレ・ノワールが『バグパイプで泣かないで』…出世魚のように名前が変わっていきます。 |
ジャウアンにしては全体が平板すぎ。ブルターニュ分離主義を扱ったノワールはおそらくこれが初めてだと思われるので、その意味で希少価値はあるのですが。作風の確立以前、習作期ですね。 |
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