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「トイレットペーパーホルダーに計算機を置いた。困るような結果が出てしまった。今まで”これ”を計算しようとは思ってもみなかった。計算をやり直してみる。一日4時間で365日、これで1460時間。それが29年間だと…42340時間」 |
「人生のうち4.8年をトイレで過ごしてきたのか!」 |
絶叫。製薬会社社長ギャツビー・ルグラン、天敵は便秘だった。最強の下剤開発を決意、役員を招集して派手な会議を開いていく。 |
ルグランの会社で清掃夫をしていたインチキ科学者は雑誌に載っていた「秘樹」をネタにして人生大逆転を画策(「これが便秘に効くんですよ」)、旧友のエコロジスト夫妻に連絡を取っていく。一方、ルグランの手帳をめぐってライバル会社が暗躍を始めている。手帳にはトイレで過ごした時間しか書かれていないのに… |
ミジオは98年まで日刊紙リベラシオン記者として勤務、ポスト情報化時代における企業・社会の在り方について提言を残しています。またフランスの全国紙で最初にインターネット関連の連載記事(「おばぁちゃん、サーフィンしよ、ネットサーフ!」)を残した人物でもあり。さらに自身の会社ミジオInc.を設立、ネット上でのナヴィゲーション、解析システムを提供。真っ当なジャーナリスト、真っ当なビジネスマン。しかし小説を書き始めるとありえない壊れ方を見せ始めます。 |
基本はシチュエーション・コメディ。ナンセンスからナンセンスへと流れるように移っていく。スムーズな展開は仏ユーモア・ノワールに欠けていた貴重な何かでした。 |
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