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ジプシー殺し
〔2001年〕 |
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ジャンニ・ピロッジ著 |
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ユーロノワール、地方主義(ブルターニュ)
東欧ジプシー差別史、サブカルチャー |
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〔初版〕 2001年
クープ・ブレイズ社(スペゼ) |
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Romicide / Gianni Pirozzi
-Spézet: Edition et Diffusion Coop-Breizh.
-153p. -22×15.5cm. -2001. |
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【あらすじ】 |
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深夜、老ジプシーは死を待っていた。 |
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昼に着ていた服のままだった。夕方に耳にした名前が甦る。覚えのある名前だった。過去が蘇ってくる。1942年のブタペスト。ナチス侵入を祝うように実行されたジプシーの根絶政策。抑圧は戦後も続いていた。過去は消えなかった。陰が蘇ってくる。外で車の停まる音がする。死が迎えにやってきた。 |
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仏西部、ブルターニュ地方。袋詰めの死体が用水溝で見つかった。拷問の跡、ガスバーナーの模様が足に残っている。施設で余生を送っていた老ジプシーの死体だった。 |
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レンヌ警察のローゼン警部が調査に乗り出していく。「あの爺さんがここまで恨まれるなんて」。ジプシーたちは協力的とは言えなかった。ローゼンは内部に潜りこめる男を探しはじめた。適役が一人。施設の門番を勤めていたリネッティである。半ば脅迫してリネッティを味方につける。陰惨なジプシー殺しに片をつけようとする… |
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【講評】 |
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ブルターニュの有名なサブカル雑誌「電子眼」でSFやノワール、映画について書いていたジャーナリスト、ジャンニ・ピロッジの処女長編。イタリア移民の子がフランス西部に居を構え、緻密な考証に基づいて東欧流浪民の物語を淡々と綴っていきます。 |
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年に似合わないいぶし銀の雰囲気を漂わせながら、現代っ子らしい細部の扱いを組み合わせ、非常にモダンな感触のノワールに仕上げています。全体がヴィンセント・ギャロ風の負け犬美学で彩られているのが素敵。 |
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【最終更新】 2009-06-23 |
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