コルシカ・アンダーグラウンド
ジャン=ピエール・サンティニ著

〔初版〕 2005年
アルビアナ社(アジャクシオ)
叢書ネラ

Corsica clandestina / Jean-Pierre Santini.
- Ajaccio: Albiana. - (Nera).
- 140p. - 19×12.5cm. - 2005.

   

 コルシカ島のバスケットチームが欧州杯の決勝に進出、地元でユーゴチームと対戦する。新たに作られたばかりの観客席を島民が埋め尽くしていた。悲劇は実況中に起こった。一瞬の沈黙、金属製の観客席が崩れ落ちる。悲鳴、怒号、TV レポーターたちの空しいコメントが続く…
 死傷者たちが運ばれていくのをなすすべもなく見つめていた島の有力者ソレル。スポーツで島を盛り立て、金を集め、コルシカ・ナショナリズムを前進させようとした目論見は崩れ去る。有能な弁護士のおかげで刑事責任は免れたが・・・「世論はだまされていなかった。別な形の正義、合法的な、島民による正義を待ち望み始めた」
 島のどこかで「ソレルの処刑」が決まった。新港に位置するバー「ダミアン」。店長のピエロウが店を閉め、部屋に戻り、シャワーを浴び、外出する。車には「組織」から借りた銃器が隠してあった。二人の同志と共に空港に向かうソレルの車を待つ…
 コルシカ・ナショナリズムに加担する飲食店の経営者。事故で夫を失った女の悲しみ。島内での新旧派の対立。目隠しされたままアパートに連れて行かれ、武器を手に政治運動への忠誠を誓わされる青年…
 日常風景と政治風景、生の光景と死の光景が巧みに織りこまれた生々しさ。誰が悪いというわけではなく、人々の願いが重なっていくだけで誰かが死んでいく残酷な世界。J.-P.サンティニは歯切れの良い断章を積み重ね、コルシカ島の危機的状況を美しい死の物語に変えていきます。これまでに発表されたコルシカ産犯罪小説では間違いなく最良の一作。

Photo : "The Doorway To Hell" / Archie Mayo, 1930
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