僕たちはマルセイユの王になる
セルジュ・スコット著

〔初版〕 2004年
レカイエ・デュ・シュド社(マルセイユ)
叢書レカイエ・デュ・シュド 42番

Nous serons les rois de Marseille / Serge Scotte
-Marseille: Editions l'Ecailler du sud.
-(L'Ecailler du sud ; 42)
-159p. -17 × 11cm. -2004.

   

 友人ティノから電話があった。女にふられた。「古いジャガーで自殺しようとして失敗した」だそうである。「僕が自殺したって知ったら…あの子戻ってくるかな」 、「止めとけって」。
 車椅子の友人を押していくニキータ。やれやれ。女なんて皆同じ、1人で呟いていた。ニキータの頭は新しい企画で一杯だった。「闘技場」。マルセイユ旧港にある数千平米の空間で、60年代末にストーンズがコンサートをした場所としても知られている。現在使われていないこの一角の権利を伯母から譲り受けた。「舞踏会の場所にね・・」、伯母にはそう言っておいたのだけれど本当はクラブの建設だった。
  工事が急ピッチで進んでいた。通りすがりの女が声をかけてくる。「君ってウェイターさん、DJ?」、「…ここの経営者ですが」。
 女の名前を聞いておく。エルザ、綺麗な名前だった。クラブの完成パーティ−、招待状を手にした客たちがやってくる。華やかな照明で揺れている巨大な回廊、ニキータはエルザを案内していく。そう、僕はマルセイユの王になる。とはいえ王様は綺麗な仕事ばかりをしている訳ではなかった…
 マルセイユ旧港を舞台にした青春恋愛小説風のノワール。男二人(ティノ、ニキータ)、女二人(エルザ、ストラディ)の関係が入り組んでいき、破綻し始め、最後は主人公が誤って女を殺してしまう展開に持ちこんでいきます。海風の匂いがする爽やかなノワール、こんなのもたまには良いですね。

Photo : "The Doorway To Hell" / Archie Mayo, 1930
] Noirs [ - フランスのもう一つの文学 by Luj, 2008 - 2010

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