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死者の部屋
〔2005年〕 |
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フランク・ティリエ著 |
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猟奇スリラー、連続誘拐事件
地方主義(ダンケルク) |
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ル・パサージュ社 (パリ/ニューヨーク)
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La Chambre des Morts / Franck Thilliez
- Paris-New York : Editions Le Passage.
-313p. -2005. |
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【あらすじ】 |
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フランス北部、立ち並ぶ風力発電機の羽がクルクルと回っていた。 |
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車に衝撃が走る。「何か轢いたよ。動物?」。不安げな顔のヴィゴ。車をバックさせていく。獣ではなかった。スポーツバッグを手にした男の死体が一つ。シルヴァンはバッグを開けてみる。紙幣の束が詰まっていた。シルヴァンとヴィゴは相談の上、死体を放置し金を山分けすることに決める。スポーツバッグの紙幣が身代金だったとは知らなかった。誘拐犯が二人の姿を見ていたことも。 |
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医者であるキュナールの娘が誘拐された。医者は身代金を運んでいったがその後轢死体で見つかっている。風力発電機の近く、死体となった少女が発見されていた。ダンケルク警察が調査に乗り出していく。 |
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少女を殺した犯人は手袋をしていなかった。手の跡が残っている。しかし・・・指紋がなかった。少女の胃に残っていた狼の体毛、人形のように置かれていた死体の配置・・・謎が深まっていく中で第二の連絡が届く。「ダンケルクの路上で13歳の少女が行方不明になったそうです」 |
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【講評】 |
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05年に発表されたティリエの第2長篇。面白さが口コミであちこちに伝わり、マイナー出版社としては異例のヒットとなった一作。 |
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スティーヴン・キングなどの英語圏サスペンスに影響を強く受けており、その意味ではグランジェやマキシム・シャタムとも近い質感。この二人に比べるとノワール風な雰囲気が強く、ノワール/サスペンス/謎解き愛好家いずれもに評価されたのがヒットの原因でしょうか。結末が地味なのが惜しいですが新人離れした語り口は期待大。 |
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【最終更新】 2009-06-16 |
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