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どん船倉(ぞこ)
〔2007年オンエア〕

カリル・フェレ原作
     ラジオ、地方主義、シリアルキラー

〔オンエア〕 2007年4月14日
フランス・アンテール局
《黒夜(ニュイ・ノワール)》

制作:パトリック・リージベル
監督:ジャン・クチュリエ

Fond de cale (extrait) / Caryl Ferey
le 14 Avril, 2007
"Nuits noires", France Inter
Production : Patrick Liegibel
Réalisation : Jean Couturier.


【試訳】
アレックス
「マリ、君はとても綺麗だけど、だからと言って僕を馬鹿者扱いは止めてくれ。君のピエロー君は犠牲者が出るようないたちごっこを続けている。6名の女性が暴行を受け、絞め殺されたんだ。この何ヶ月か皆が探し回っている。そして彼はここにいるんだ」
マリー
「アレックス…あなた何者?」
ピエロー(部屋に入ってくる)
「刑事だよ。お前さんお抱えの騎士は刑事さんだったのさ」
マリー
「ピエロー?」
(撃鉄を立てる音)
ピエロー
「動くな」
マリー
「あなた最近銃なんて持ち歩くようになったのね」
ピエロー
「君が誰かと一緒に来たときの用心さ。間違ってはいなかっただろ?」
 

【原文】
Alex: Marie, tu es très jolie, mais ne me prends pas pour un imbécile. Ton Pierrot joue au chat et à la souris avec ses proies... Six filles ont été violées et étranglées. Ca fait des mois qu'on cherche, et il est ici...
Marie: T'es qui... Alex?
Pierrot (en entrant): ....Un flic. Ton chevalier servant est un flic.
Marie: Pierrot?
Pierrot: Ne bouges plus.
Marie: Tu pars avec un revolver, maintenant, Pierrot?
Pierrot: Au cas où tu viendra accompagnée, ma chère. J'avais raison, non?
 

【あらすじ】
 カモメの鳴き声が響いていた。港町のバーに若い女が入ってくる。「何飲みます」、ウェイトレスが尋ねてきた。「生ビールを」。差し出されたビアグラス。「今人探しの最中なの。皆からピエローって呼ばれてる男なんだけど」「…あの芸術家さん?」「知ってるの?」、女の声に熱がこもる。「おい、仕事中に無駄話してるな」、店主からの横槍で会話は途切れてしまう。
 「地元の娘(こ)じゃないね」、一人の男が話しかけてきた。
  他愛のない雑談が続く。成り行きから人探しを手伝ってもらうことになった。
 「そうそう、僕の名前はアレックス」
 「マリー」
 「幾つ?」
 「18才」
 「彼が今どこにいるのか心当たりは?」の質問。以前にピエローが話していたプロジェクトを思い出す。「自分の作品を人目のつかない場所、ありえない場所に飾りたいって話してた」「例えば?」「…誰もいない無人の刑務所とか」
 町には十数年以上も前に使われなくなった刑務所があった。マリーはアレックスの力を借りて深夜の刑務所に侵入を図る…

【補足】
 フランス・アンテール局が提供している深夜ラジオ番組《黒夜/白夜》で放映された20分物の一作。フェレはこの番組に何度か登場。本作「どん船倉(ぞこ)」は2003年に発表された同名短編(オートルマン社の短編集『ブレスト、黒錨』収録)を下敷きにしたもので、ラジオドラマ化にあわせて完全にリライトしています。オリジナルが漠然とした「宿命の男探し」だったのに比べ、ラジオ版は犯罪者追跡とその悲劇的顛末に焦点を絞り面白さが増しています。

Photo : "The Seventh Victim" / Mark Robson, 1943
] Noirs [ - フランスのもう一つの文学 by Luj, 2008 - 2010

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