我思う。ゆえに我破壊する
セルジュ・カドリュパーニ著

〔初版〕 1997年
フルーヴ・ノワール社(パリ)
叢書アリアス 1番

Je pense donc je nuis / Serge Quadruppani
-Paris: Editions Fleuve Noir.
-(Alias; 1).
-276p. -18 × 11cm. -1997.

   

 「巨大な陰謀が動こうとしてる」
 仇敵復活。欧州犯罪特捜委員会の議長ブルタールの判断は正しかった。新たな戦いが始まろうとしていた。 「仇敵」とは…サイコトニック、レオ、アルバン・ロシュモン…無数の変名を使い分ける「アリアス」だった。
 投資信託会社のデータに侵入しユーロ相場の転覆を計る。旧敵のブルタールには機械雀を送りつけておく。小型爆弾を添えても良かったが…簡単に殺すのはもったいない。「お前には死よりも酷い運命が待っている」、挨拶代わりに脅しをかけておいた。
 「アリアスの幼馴染?」、ブルタールの事務室に一人の女が姿を見せた。長髪、日焼けした肌、そばかすがいくつか。普段は自閉症の子供たちの面倒を見ているイザベルだった。アリアスにとっては警察以上に脅威の存在だった。
 「一昨日レオから連絡があって」。ブルタールはイザベルの協力で破壊工作阻止に取り掛かる。一方のアリアスは途方もない計画を実現に移そうとしていた。ラ・デファンスの塔の爆破からロシア大統領脅迫に持ちこんでいくのだ。目的はロシアが保有している核弾頭だった…
 カドリュパーニによる新プロジェクト「アリアス」。ハイテク・テロリストが無数の変名と最新テクノロジーを駆使して世界を混沌に陥れていきます。念頭にあったのはノワール版のトム・クランシー、ハイテク・スリラーと神出鬼没の英雄譚融合を試みる。
 厳密な文体、質の高いデータ、それを上回る想像力…野心的な作品。現代テロリズムとテクノロジーに造詣の深いカドリュパーニだから許された荒業でした。続編を他の作家に書かせた判断が凶と出て、叢書は作品毎に評価を落としていきます。

Photo : "The Doorway To Hell" / Archie Mayo, 1930
] Noirs [ - フランスのもう一つの文学 by Luj, 2008 - 2010

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