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Engrenage [la 1ère serie]
/ Editions Jean Goujon

アングルナージュ[第1期]
 〔1979- 1981〕

ジャン・グジョン社 (パリ)
     ネオ・ポラール

【概説】
異端作家アレクス・ヴァルーが自身の出版社ジャン・グジョンで始めた新型ロマン・ノワール叢書。1979年4月始動。同年6月に始まったサンギーヌと並び、後に「ネオ・ポラール」と呼び習わされていくパンキッシュな文学現象を生み出していった張本人です。  
過激な暴力描写と性描写を好むと言われており他叢書が尻ごみしそうな原稿も含まれています。しかし監修者ヴァルーは特定の傾向にこだわる気はなかったようで、シニアックやルブラン、ヴォートランやバスティッド&マルタンス…ベテラン作家を取りこむ形で多様化、カロリーヌ・カマラ(『解体屋』)がサスペンス大賞、シニアック(『悪魔を愛せ』)が推理小説大賞獲得と初期ネオ・ポラール系では唯一賞レースに食いこむ健闘を見せていました。
11×18センチの文庫版。80年途中まで白基調のデザイン、その後黒地に変更。初期作大半のイラストを手がけていたのが漫画家のベジャ(Béja)。ヴァルー・インタビューを読むと当時このデザインが相当批判されていた様子も伝わってきます。当初は初版3万部を次々売り切るなど順調な滑り出しをみせていたのですが、競合叢書に押される形で経営が逼塞。最終的にフルーヴ・ノワールに身売りする形となり、叢書33番からヴァルー&カマラ共同監修で第2期に突入していきます。

【諸データ】
【1977年秋】
ヴァルーはオズワルド社で新叢書を立ち上げようとしていました。米作家(ラッセル・グリーナン他)、同世代フランス作家(シニアック、アンバール)に新人を加える形。おそらくセリ・ノワールの発展形を作りたかったのではないかと思います。しかしオズワルド社が財政難でパンクしたため企画はご破算となりました。
【1979年4月】
新人作家ジャウアンの『赤い花嫁』で叢書開始。
 
【1979年冬】
ギャング誌第2号でアングルナージュ特集掲載。アレクス・ヴァルー&ジョゼ・ヴァレラのインタビューが掲載される(インタビュアーは作家エルヴェ・プリュドンでした)。
【1979年11月】
月刊シャルリ誌130号のミステリ欄でマンシェットがアングルナージュに言及:
「最初の数巻は露悪なエロ趣味と陰惨な暴力描写に満ちていた。思慮に欠けていてまともな文章にもなっていない。アングルナージュなど見捨ててしまおうか、絶望的な気分でそう思い始めた矢先、ヴォートラン『ガソリン台風』(この人らしい芸術作)とヴァレラの『特製ピュレを作ってあげる』(手堅い一作)が出版された」
【1980年5月】
同じくシャルリ誌135号でマンシェットがJ.-L.ダナの『大いなる夜の朝を待ちながら』を激賞。この作品は『地下組織ナーダ』パロディですが、「これほどまで極められた模倣には」「自身に対する、そして原型に対する批評が含まれている」
【1980年】
カロリーヌ・カマラ『解体屋』がサスペンス大賞を獲得。カマラは以前に出版社(プレス・ドゥ・ラ・シテ)で編集をしていたことがあり、81年夏以降はヴァルーを助ける形で叢書共同監修役を引き受けていきます。
【1980年】
装丁変更。叢書立ち上げから表紙を手がけていたベジャが外されました。これでも経営成績の立て直しには至らず、ジャン・グジョン社配給を手がけていた大手アシェット社が撤退。ヴァルーはフルーヴ・ノワール社とコンタクトを取ります。
【1980年冬】
ミシェル・ルブランによる『犯罪小説年鑑』(81年度版)が公刊される。「フレンチ・ミステリーの春」と題された論考にはルブランがヴァルーと交わした対話一部が採録されています。「現在の仏ミステリー(ポラール)はポラロイド写真なんだ」で始まるヴァルーの有名な一節はここに収められたものです。
【1981年7月】
ピエール・シニアックの『暗殺者往来する』(第33番)でフルーヴ社第2期アングルナージュがスタートする。 

【作品】
『赤い花嫁』
エルヴェ・ジャウアン
『誘拐』
アラン・デュブリュー
『今夜はダメだよ、お前』
アレクス・ヴァルー
01: La Mariée rouge
/ Hervé Jaouen
[1979]
02: Rapt
/ Alain D'Ubrieu (Dubrieu)
[1979]
03: Pas ce soir cherie...
/ Alex Varoux
[1979]

『地下鉄のジザニー』
ユーゴ・ラクロワ著
『くるぶしまでを水に漬け』
ムニエ&ヴォーバン著
『大いなる夜の朝を待ちながら』
J.-L.ダナ著
04: Zizanie
dans le métro
/ Hugo Lacroix [1979]
05: Les Pieds dans l'eau
/ Meunier et Vauban
[1979]
06: En attendant
le matin du grand soir
/ J.L. Dana [1979]

『ガソリン台風』
ジャン・ヴォートラン著
『特製ピュレを作ってあげる』
ジョゼ・ヴァレラ著
『道化顔』
バスティッド&マルタンス著
07: Typhon-gazoline
/ Jean Vautrin
[1979]
08: Spécial purée
/ José Varela
[1979]
09: Bille de clown
/ Bastid et Martens
[1979]

『ツグミ猟』
ルヴェ・ジャウアン著
『寝取られ亭主商会』
ジャン=ジェラール・
アンバール著
『リュジュ・アンフェルマン
都会のジャングルに行く』
ピエール・シニアック著
10: La Chasse au merle
/ Hervé Jaouen
[1979]
11: Cocu and Co
/ Jean-Gérard Imbar
[1979]
12: Luj' Inferman dans la
jungle des villes
/ Pierre Siniac [1979]

『二本の指のように』
ドゥニ・ノーズ著
『解体屋』
カロリーヌ・カマラ著
『波風立たず』
パトリス・ヒシュマン著
13: Comme les deux
doigts de la main
/ Denis Nauze [1979]
14: Le Désosseur
/ Caroline Camara
[1979]
15: Sans faire
de vagues
/ Patrice Hischmann
[1980]

『職無しブルース』
ルイ・アリス著
『借り』
ミシェル・ルブラン著
『最後の老狂人』
アレクス・ヴァルー著
16: Chomeur's blues
/ Louis Aris
[1980]
17: La Monnaie de la
pièce / Michel Lebrun
[1980]
18: Le dernier vieux fou
/ Alex Varoux
[1980]

『復讐の天使ボボ』
フランク・ヴィアル著
『釘付けにしちゃうぞ』
ピエール・シニアック著
『薔薇頭巾ちゃん』
シャルル・ボワイヤジャン著
19: Bobo
/ Frank Vialle
[1980]
20: L'Epinglage
/ Pierre Siniac
[1980]
21: Le petit chaperon
rose / Charly Boyadjian
[1980]

『入る前にはノック…ダウン』
セシル・アルボナ著
『少女と釣り人』
エルヴェ・ジャウアン著
『悲しみの赤毛男』
バスティッド&マルタンス著
22: Frappez sans entrer
/ Cécile Arbona
1980]
23: La petite fille
et le pecheur
/ Hervé Jaouen [1980]
24: Le Rouquin chagrin
/ Bastid et Martens
[1980]

『祈りのポルノ』
ジャン=シャルル・フォーク著
『悪魔を愛せ』
ピエール・シニアック著
『告げられない診断』
エマニュエル・エレル著
25: Priez porno
/ Jean-Charles Fauque
[1980]
26: Aime le Maudit
/ Pierre Siniac
1980]
27: Diagnostic réservé
/ Emmanuel Errer
[1980]

『こうしておいらは死んだのさ』 ドナル&ギュゾ著 『三文O.P.A.(オ・ペ・ア)』
ミシェル・ルブラン著
『野鼠』
モーリス・ブリュネッティ著
28: C'est comme ça
que je suis mort
/ Daunal et Guzzo
[1980]
29: L'O.P.A. de 4 sous
/ Michel Lebrun
1981]

30: Le Rat des champs
/ Maurice Brunetti
[1981]


『前に逃げろ』
シルヴァン・サーダ著
『イバラ咲き散る監獄の影で』
ペテル・ギュート著
 
31: La Fuite en avant
/ Sylvain Saada
1981]
32: Fleuris-les-épines
/ Peter Guth
[1981]
 

 

【最終更新】 2009-06-10
Photo : "Voici le temps des assassins" / Julien Duvivier, 1955
] Noirs [ - フランスのもう一つの文学 by Luj, 2008 - 2010